幽光 別館(旧:ゲームの窓は半開き)

スマホゲームなどの紹介(アフィリエイトあり)の予定でしたが、昔の作品に関する話が多くなっています。

ファミコンのボタンが角型(四角形)から円形に変わった経緯の説明に触れての若干のもやもや(書籍「ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生」)

前回の記事でも触れた書籍「クラシックゲーム大博覧会 1972-1985」を読んで昔のゲーム機に対する興味がわいたこともあり、ファミコンの誕生と展開について取り扱っている書籍「ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生」を読んでいたのですが、若干、もやもやする部分が。

一部では有名な話のようですが、ファミコンのコントローラのAボタン、Bボタンは、初期は角型(四角い形)で、早い段階で円形へと設計変更。

本書によると、その原因は、ファミコンゲーム&ウォッチのプレイ環境の違いによって生じた「にじり押し」による故障の多発だった! とのことなのですが……。

まずは、本書における経緯の説明の内容について簡単にまとめておきます。

 

そもそもファミコンのコントローラは、すでにゲーム&ウォッチで採用されていた平面型のコントローラの仕様を採用したものでした。

しかし、実際にファミコンを発売してみると、早い段階からコントローラが故障したというケースが頻発。

故障しているのはAボタンまたはBボタンで、特にAボタンが多かったそうなのですが、原因を究明する中で浮かび上がってきたのが、ユーザーのボタンの押し方がゲーム&ウォッチファミコンでは異なっていることが多いということでした。

実は、携帯用ゲーム機であるゲーム&ウォッチでは、ゲーム画面と本体とが一体化している関係上、本体についているボタンを押す際に、ボタンを真上から真下に押し込むケースがほとんどだったようなのです。

それに対して家庭のテレビに接続してプレイするファミコンでは、ゲーム画面にあたるテレビ画面とボタン類が配置されているコントローラが離れている関係上、コントローラのボタンを押す際に、真上から真下ではなく、斜めに押し込んでしまうケースが多かったとのこと。

本書ではその押し方のことを「にじり押し」と呼んでいるのですが、この「にじり押し」に対して、初期のファミコンのコントローラでAボタン、Bボタンに採用されていた角型のボタンが、その形状(四角い形)が原因で耐久力がなく、そのことが故障多発の原因となっていた、というわけです。

そこで、より「にじり押し」に対して耐久力がある円形のボタンへと設計が変更され、それ以降のファミコンのAボタン、Bボタンはすべて円形となって、角型ボタンが採用されているコントローラはごく初期のみのレア物となった……ということのようなのですが……。

 

1点、ひっかかったのは、そもそもゲーム&ウォッチのボタンって、ほとんどが円形なんですよね……。

HISTORY|ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ|任天堂

リンク先のページを見ていただければ分かりますが、ゲーム&ウォッチにはさまざまなバージョンがあるものの、AボタンやBボタンにあたるボタンは、そのほとんどが円形です。

ということは、ファミコンのコントローラを設計する際に角型のボタンを採用せずに、最初からゲーム&ウォッチと同様の円形のボタンにしていれば、「にじり押し」が原因の故障の多発はなかった、とは考えられないでしょうか。

 

ちなみに、このゲーム&ウォッチ、昨年の2020年に「スーパーマリオブラザーズ」の35周年とのコラボ商品として新商品が発売されています(※2021年3月までの期間限定生産)。 

いわゆる復刻版ではありませんが、興味のある方はチェックしてみてください。