幽光 別館(旧:ゲームの窓は半開き)

スマホゲームなどの紹介(アフィリエイトあり)の予定でしたが、昔の作品に関する話が多くなっています。

復刻と付加価値の挟間~復刊ドットコムの刊行物に思う~

復刊ドットコムの刊行物には過去の人気作などに関するものが多いのですが、それらの内容を見ていくと復刻と付加価値の挟間について考えさせられます。

たとえば、往年の人気特撮ドラマ「ミラーマン」に関する「ミラーマン トレジャーBOX」には『原色怪獣怪人大百科』内「ミラーマン」シート復刻版(全3枚)というものが付いてきます。

 

ミラーマン トレジャーBOX  

これは『原色怪獣怪人大百科』第2巻に収録されていた3枚のシートを復刻したものなのですが、実は当時の第2巻では、そのうち1枚には「ミラーマン」ではなく他の作品が収録されていました(※復刊ドットコム公式サイト情報)。

しかし、今回の「トレジャーBOX」では他の作品が含まれた状態のままで復刻するのではなく、他の作品が含まれていたシートに第1巻の「ミラーマン」に関するパートを移植して掲載しています。

つまり、厳密にいえば当時の復刻とは異なる内容になっているわけですが、「ミラーマン」を求めて「トレジャーBOX」を購入した人が「ミラーマン」以外の作品も収録されているシートを手にして喜ぶかどうかは微妙なところですから、この決断がよかったのか悪かったのかは判断が分かれるところであろうと思います。

少し形は違うのですが、同じようなことは「ウルトラセブン」のアンヌ隊員として知られるひし美ゆり子さんの「私家版・ひし美ゆり子 クロニクル 2 「続・井の頭公園と私」」にも当てはまります。

 

私家版・ひし美ゆり子 クロニクル 2 「続・井の頭公園と私」  

こちらはA4判32ページの冊子著者直筆サイン入りのA4判カラーポートレートをセットにして、復刊ドットコムで通販限定販売されているものです。

ただし、このカラーポートレートについては公式サイトに

(1969年2月・井の頭公園で撮影された写真を丁寧にカラーライズ)

との記載があります。

実際に合っているかは分かりませんが、一般的にはカラーライズと言えば、「元々は白黒などの写真をカラー化すること」を指すようです。

ということはもしかすると、白黒で撮影されていた写真をポートレートとしてセット販売するにあたって色を付け、カラーポートレートとして販売することにした、ということなのかも知れません。

もちろん、元々カラー写真として撮影されたものをポートレート化するにあたって色あせていたのを修正した、という可能性もありますが、どちらにせよ、何らかの手が加えられていることは間違いないでしょう。

ただし、この場合も「カラーライズすることによって付加価値を付けようとした」ということだと思いますので、そういう意味では、元々の形に忠実にするか、それとも適宜判断して何らかの付加価値が付いた形で販売するかというのは難しい問題と言えるように思います。